離乳食も進んでくると色々な食材に出会いますね。
そこで今回は、海苔についていつから食べて良いのか、あげる量、消化について、また赤ちゃんでも食べやすい海苔のレシピについてご紹介していきます。
離乳食に海苔はいつから?
まずは、「海苔」という食材がいつから食べられるのかご紹介していきます。
この時期までは絶対ダメ!・この時期から絶対!ということはありません。
一般的に海苔は離乳食後半(8か月頃)に食べ始めることができるといわれています。
とはいえ、海苔をそのままあげるのではなく、炊いてトロトロにしてあげる必要がありますよ。
では、なぜ離乳食中期の時期がよいのか、考察してみましょう。
・海苔以外にも触れる食材が多い
まず1つ目の理由として、離乳食初期は多くの海苔以外にも触れる食材が多いということです。
離乳食初期は、10倍粥から初めて、人参やカボチャ、ほうれん草、そしてたんぱく質である豆腐や魚などに移行していきます。
離乳食初期は、初めての食材だらけなため、アレルギーの判別をするためにも食材を混ぜてあげることはNGです。
新しい食材を毎日試すということもあまりないと思います。
そのため、海苔にたどり着く前にあげなければいけない食材が多すぎて、日数的に足りないということが言えます。
・消化機能の発達がまだまだ途中
そして2つ目の理由として、赤ちゃんの消化機能の発達がまだまだ途中であることが考えられます。
赤ちゃんは、生まれてからも消化機能は未熟です。
海苔は食物繊維が豊富に含まれているため、うまく消化されずに下痢を引き起こしてしまう可能性があるのです。
ちなみに、子供の消化機能が発達するのは3歳頃とされていますよ。
・飲み込みの上手さ
そして3つの目の理由として、飲み込みの上手さです。
海苔はおかゆに溶いても繊維のような感じが残りますよね。
離乳食初期は飲み込みの練習の時期でもありますから、繊維っぽい感じは赤ちゃんにとっても少し飲みこみづらいかもしれません。
以上のことから、赤ちゃんの海苔デビューは離乳食のバリエーションが増えてくる離乳食中期がおすすめです。
また、おにぎりや海苔巻きなどのようにしてあげたい場合は、ご飯と一緒に炊いたり、しっかり噛めるようになってきた1歳以降に小さくちぎって張り付けてあげると良いです。
特に噛む力が弱い時期は、海苔がかみ切れず、のどに張り付いたりすることもあります。
実際、我が子も海苔巻きなどのノリをそのまま巻いたものをあげたことがありますが、2歳以降になってもうまくかみ切ることはできませんでした。
それだけ、海苔は噛み切りづらいということを覚えておきましょう。
また、海苔の佃煮や味付け海苔は塩分が濃いです。
消化機能が未発達な赤ちゃんには、負担となるでしょう。
味の濃いものはなるべく避け、もし佃煮をあげたい場合は消化機能がある程度発達する3歳以降が良いでしょう。
子供が大きくなっても海苔は噛み切りづらいもの。
こういったアイテムを使うことで、海苔巻きも食べやすくなりますよ。
海苔の栄養
離乳食にあげる海苔、いったいどんな栄養分があるのでしょうか。
海苔はたんぱく質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB1,2などが豊富に含まれ、「海の野菜」といわれています。
海苔の40%はタンパク質でできています。
ただのたんぱく質ではなく、必須アミノ酸でできたたんぱく質です。
必須アミノ酸は体内では生成できないので、食べ物から摂取する必要があります。
筋肉や血液、骨などの合成に欠かせないものなので、それが海苔から摂取できるのは嬉しいですね。
そして、海苔が「海の野菜」といわれる所以がビタミンの含有量です。
海苔には12種類のビタミンが含まれていますが、特にビタミンAが豊富に含まれています。
ビタミンAは抵抗力をつけ、感染症を予防したり、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。
海苔1枚(3g)あたりに、ビタミンAは69μg含まれています。
なので、体重10kgの子供の場合、1日に必要な量は101μgですので、海苔を1枚半ほど食べれば1日のビタミンA摂取量をクリアできます。
もちろん、人参・小松菜・にらなどの緑黄色野菜、鶏レバー・豚レバーにも豊富に含まれてるので、トータルでみて摂取すれば良いです。
野菜嫌いな子にも、海苔で少しはカバーできると思えば離乳食の栄養バランスに頭を悩ませる方の負担が少し減りますよね。
そして、海苔には食物繊維も豊富に含まれています。
海苔の約1/3は、食物繊維です。
100g当たりの成分量は、ごぼうの約6.3倍もありますよ。
食物繊維には、水溶性と不溶性のものがありますが、海苔は水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は水に溶け、食品の水分を抱き込んでゲル化します。
なので、便を緩くしたいときに摂取すると良い成分です。
海苔のアレルギーはある?
初めての食材をあげるときは、アレルギーが心配になりますよね。
海苔にアレルギーはあるのでしょうか。
焼き海苔は、アレルギーになりづらいといわれています。
とはいえ、食品である以上は誰でもアレルギーになる可能性はあるので注意しましょう。
初めてあげる際は、病院の開いている時間、なるべく午前中にあげるようにしてあげましょう。
そして特に、注意してほしいのが味付け海苔です。
味付け海苔は味付けのために、砂糖、しょう油、食塩などの各種調味料をはじめ、 魚介エキス(えび、ほたて、こんぶ、かつお節など)が含まれていることがあります。
そのため、魚介アレルギーを発症する可能性があるのです。
味付け海苔は、複数の添加物があるため、万が一アレルギー症状が出ても、どの物質で症状が現れているのかわかりません。
アレルギーになりやすい低月齢にあげるのは避けたほうが良いでしょう。
もうひとつ気を付けたいのが、「ヨード(ヨウ素)」によるアレルギーです。
海苔・昆布・ワカメなどの海藻類には、ヨードというミネラル成分が多く含まれています。
この「ヨード」にアレルギー反応を起こすこともあるようです。
ヨードのアレルギー反応は、喉の腫れやかゆみ、くしゃみなどの症状が出ます。
赤ちゃんの海苔の量は?食べすぎ注意
栄養豊富な海苔ですが、赤ちゃんに適正な量はどのくらいなのでしょうか。
以下が月例別の栄養摂取目安表です。
赤ちゃんにおける食物繊維の摂取量の目安は、決まっていませんが、6~7歳の場合、1日に11gとされています。
海苔1枚(3g)あたりに食物繊維は約1gです。
ですので、6歳の子供でも海苔の食物繊維量だけでいえば11枚の海苔を食べなければいけないということになりますね。
6歳の子の平均体重は20kgです。
その体重での食物繊維摂取量が11gなので、体重が8kgほど(生後8か月)の場合、食物繊維は5gほどで良いと思われます。
赤ちゃんの離乳食に海苔を5枚もあげることはないですよね。
普通に離乳食をあげるぶんには、量を気にする必要はなさそうです。
また、たんぱく質においては、8か月の赤ちゃんの場合1日の摂取量は15gです。
海苔1枚のたんぱく質量は約1g。
赤ちゃんに海苔を15枚以上あげることもないですから、普通に海苔をあげるぶんには問題なさそうですね。
結論、1日に海苔を何枚もあげなければ量は気にしなくても良いということになります。
ただ、食べすぎる(1日に何枚も食べる)と、下痢などを引き起こすこともあります。
詳しくは、次でご紹介します。
海苔は消化に悪い?便秘のもと?
海苔の成分でもご紹介しましたが、海苔には水溶性食物繊維が含まれています。
不溶性の食物繊維と違い、水に溶けるのでゲル化します。
そのため、便が柔らかくなりやすいです。
大人の便秘のように硬い便が出ている場合は、水溶性食物繊維が効果的ですが、赤ちゃんは大人のように硬くコロコロの便はあまり出ないですよね。
なので、海苔を食べることで便秘になるとは考えづらいです。
その逆で、過剰に摂取すると便が柔らかくなりすぎて、下痢っぽくなることがあるようです。
また、消化のしやすさですが、焼き海苔は消化しにくいということはありません。
海苔には、生で食べる「生海苔」や天日乾燥しただけの「乾海苔」などもあり、これら「火を通していない海苔」は消化に時間がかかります。
海苔には硬い細胞壁があるため、生の状態では消化できないといわれているのです。
一方で、「焼き海苔」や「味付け海苔」などの火を通して加熱処理された海苔は、消化に時間はかかりません。
ちなみに、日本人は生の海苔の硬い細胞壁を破壊することができる酵素を生み出す微生物が腸内にいます。
その微生物が腸内にあるため、日本人は生の海苔でも消化することができるのです。
ですが、赤ちゃんの消化機能は未発達なので、焼き海苔でも便から海苔の塊がでてくるということもあります。
海苔が特別消化に悪いということはありませんので、栄養豊富な海苔を離乳食に積極的に取り入れていきたいですね。
海苔巻き・海苔の佃煮レシピ
子供にもおすすめの海苔のレシピをご紹介します。
離乳食中期〜後期☆ほうれん草の海苔和え by まさちゅーせっつ
離乳食中期では、野菜などといっしょに煮て柔らかくすると良いでしょう。
どれもおいしそうですね。
まとめ
赤ちゃんは海苔をいつから食べられるのかご紹介してきました。
海苔のデビューは生後8か月頃が良いでしょう。
あげる際は、味付け海苔ではなく、焼き海苔にしてくださいね。
ぜひ栄養豊富な「海の野菜」の海苔を離乳食に取り入れてみましょう。
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