「療育手帳お持ちではないですか?割引ができます。」そんな言葉をかけてもらったことありませんか?知っておいたほうがいいこと、知らないと損をしているかもしれないことなど、まとめてみたいと思います。
療育手帳の取得に迷っている方も、改めて療育手帳のメリットとデメリットを確認してみませんか?
療育手帳(愛の手帳など)とは?
最近、自閉症やADHD、LDなどの発達障がいについてのコラムや記事をよく見かけるようになりました。
その中に時々登場する「療育手帳」。
あなたはどれくらい知っていますか?
療育手帳は昔の厚生省(現:厚生労働省)が知的障がい者のために整備したガイドラインをもとに生まれました。
2018年の時点で、障がいのあるみなさん対象に、大きく分けて3種類の「手帳」が存在します。
身体障がい者(体にハンディがある方)→身体障害者手帳
精神障がい者(メンタル面でのハンディがある方)→精神障害者保健福祉手帳
知的障がい者(知的機能にハンデイがある方)→療育手帳
ということになります。
自閉症などの障がいでも、知的障がいを伴っていれば、対象になるようです。
しかし、その具体的な運営のやり方については各都道府県に任せてあり、障がいの区分の仕方から、呼び名までいろいろです。
日本各地の主な呼び名としては、東京都や横浜市では「愛の手帳」、青森県や名古屋市では「愛護手帳」、さいたま市では「みどりの手帳」などです。
しかし全国的には「療育手帳」という呼び方が最も多いようです。
障害の程度の区分は、北海道では2段階、愛知県では3段階、山梨県では6段階など、地方によって変わってきますが、ほとんどの都道府県では4段階区分を採用しています。
では、具体的にどんな方に療育手帳を交付してくれるのかというと、本当に地方によって違うのですが、知能検査の結果を判断基準とする地区が多いようです。
これは長野県の例ですが、ホームページには、
障がいの程度
判定の基準
A1
IQが35以下である者
A2
身体障害者手帳が3級以上であり、
かつIQが36から50の範囲にあるもの
B1
IQが36から50の範囲にあるもの
B2
IQが51から75の範囲にあるもの
と書いてあります。
「うちの街ではどうなっているのかな?」という方は、お住いの市町村の「福祉課」に尋ねると、親切に教えてくださるそうです。
地区にかかわらず、窓口はどこも「福祉課」になってるようです。
いろいろ調べてみると、その地区のホームページの、案内の仕方に、かなり差があることがわかります。
親切に振り仮名まで書いてくれているサイト(和歌山県)があるかと思えば、一通りの案内だけで「詳しくは福祉課まで」とお茶を濁しているサイトまで。
障がい者も見るサイトなので、できるだけきめ細かく、親切に、わかりやすく記述してもらいたいものです。
手帳を交付してもらうまでの手続きですが、愛知県のホームーページ
がわかりやすかったので紹介しますと、
(※1) 面接の日程は、市役所障害福祉課で上図の申請をしていただく際に愛知県東三河児童・障害者相談センターと調整し決定します。
となってました。(番号順に処理が進んでいく。)
どこでも大体こんな感じで手続きが進んでいくようです。
持っていくのは「顔写真」と「印鑑」程度のところが多いです。
お近くの福祉課に聞いてみましょう。
療育手帳をもらうには、まずは福祉課に相談に行くことがスタート地点です。
療育手帳をもらうメリットは?
これも地区によって違うので、福祉課に聞いてもらわないとわからないのですが、いろんな地区を調べてみますと…
・JR料金が安くなる。
・飛行機代が安くなる。
・バス代が安くなる。
・タクシー代が安くなる。
・災害時の重点支援対象者になる。
・公共料金が安くなる。
・いろんなレジャー施設や駐車場料金が安くなる。(ディズニーでも使えるようです)
・税金を安くしてもらえる。
・いろんな手当をつけてもらえる。
・就職するときに配慮してもらえる。
・病院代が安くなる。
など など など… 結構ありますね。
また、施設利用などでは付き添いの保護者も無料になることがあるようです。子供を連れて出かけるのは周り迷惑をかけないかなどの心配で、精神的に疲れてしまうこともありますが、付き添いの方の利用料が安く(または無料に)なるのはせめてもの救いかもしれませんね。
何より、周りの人たちがいろんなことに優しく配慮してくれるようになることが、最大のメリットなのかもしれません。
療育手帳をもらうデメリットとは?
いろんなサイトを見ると「療育手帳をもらうことにデメリットはありません。」と書いてあることが多いです。
私も半分はそう思います。
「半分」と書いたのは、私なりに気になることがないでもない、と思うからです。
まず、手続きが煩雑。
何度も役所へ通い、面接や検査を受けたりして、交付まで長い期間(約一ヶ月)かかります。
仕事を持っている保護者の方にすれば、「そんなに休めない!」ということになります。
それだけで、療育手帳の交付申請に対して、尻込みしてしまう方も多いのかもしれません。
もっと簡素化できないものかと…
もう一つ、気になることがあります。
療育手帳をいろんな機関に提示するということは、「我が子は障がい者です。」とカミングアウトすることにもなります。
「そういうことはとっくに超越してます!」という方もあるかと思いますが、「できればあまり言いたくない。認めたくない。」と思っておられる方にとって、療育手帳をもらうことは、勇気がいることです。
保護者にとっても子供本人にとっても療育手帳をもらうということは、最初気持ち的なハードルが高いことが多いです。
そのハードルを乗り越えなくてはいけないということと、手続きの面倒さが療育手帳の「デメリット」なのではないかと思います。
まとめ
障がいは、自分で望んだことではありません。
健常者にはわからない、生きにくさや困り感がたくさんあります。
療育手帳は、ここまで頑張ってきた自分や家族への「ご褒美」なのです。
勇気を持って申請に行きましょう。
障がい者も健常者も、いろんな個性を認めあえる社会に、早くなりますように!
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