小学校に入学すると家庭訪問のお知らせがきますよね。
初めて家庭訪問ってなにをすれば良いのかわからないことって多いです。お茶やお菓子は出したほうがいいのか、そのタイミングはいつが良いのか、そもそも家庭訪問はなんのためにあるのかなどなど。また最近では部屋に入らず玄関で行われることも多いようです。
そんな家庭訪問を私は、幸運なことに、家庭訪問する側、される側、両方からの経験がありますので思ったこと、感じたこと、いろいろ書いてみたいと思います。
そもそも家庭訪問の目的って?先生、何しにくるの?
家庭訪問、気を遣いますよね。
家の掃除きちんとできているか心配。
我が子のことで何を言われるのか心配。
家庭からの大切なお願いをうまく伝えられるか心配。
心配、心配、心配…。
でもどんな先生かちょっと楽しみ…。
私は以前、小学校に勤務していたことがあります。
また、三人の子ども親でもあります。
つまり家庭訪問に関して、学校と家庭、両方の体験があるのです。
学校では「家庭訪問の計画」なるものが職員会議に出されます。
その中の「目的」には大体こんなことが書いてありました。
「児童の家庭環境を把握し、今後の指導に活かす。」
「保護者と良好な関係を構築することで、信頼関係を深める。」
なんか、小難しいことが並べてありますが、つまり先生は、家の場所の確認と、保護者の方にご挨拶に来るのです。
計画の中で、訪問の際の留意点として「保護者の声に真摯に耳を傾ける。」「伝えるべきことはきちんと伝え、希望されることには可能な限り応じる。即答できないことは学校に持ち帰り、検討する。」といったことが指導されています。
だから、家庭からのお願いは、できる限り伝えたほうがいいのです。
でも、先生も人間ですから、あまり批判的な言い方をされると、気を悪くされる方もいます。
先生に、きちんと伝えておかなければならない、大切なことがありましたら、「丁寧な言い方」と「上手な伝え方」を準備しておいたほうがいいかもしれません。
「自分の先生と親が、何かもめてる…」子どもにとってこんなに悲しいことはありません。
また、「それは学校の役割か?家庭の役割か?」という基準も持っておいたほうがいいかもしれません。
私は、以前家庭訪問した時「センセ、うちの子にニンジンちゃんと食べるように指導してください。」と言われたことがあります。戸惑ったのですが、「それはぜひご家庭で取り組まれてください。」と丁重にお断りしました。
学校は社会性や団体生活など家庭ではなかなかできない経験、教育をしていく場なので、家庭でできる教育は家庭で行うのがベストですね。
家庭訪問で、あまりにも的外れな要望や質問をすると先生からモンスターペアレント認定される可能性もあるので質問する内容は気をつけたほうが良いと思います。
家庭訪問は玄関での立ち話でもいい?
私は、若手教師だった頃、「玄関での立ち話家庭訪問」をしたことがあります。
昔は1日に10軒以上訪問に回る、といったことがよくありました。1軒に30分としても、5時間近くかかる計算です。2時にうまく出発できたとしても、最後の家庭は7時近くになります。
夕食の準備に忙しいご家庭に、のこのこ訪問する方も気がひけるのです。
そこで「玄関先での家庭訪問」なるものを考えました。
「家の場所の確認と、保護者の方へのご挨拶ができればいいのだから。」と玄関先だけでの挨拶を済ませて、すごい勢いで回ったのです。
お家の方からの反応は、「今度の先生、本当に玄関先で5分で帰られた…。おもしろい先生だ。」「家の中に入って来られなかったので、準備が楽で助かった。」といった好意的な意見と、「なんか全然話せなかった。」「もっとどんな先生か知りたかった。」といった懐疑的な意見、両方ありました。
確かに迎える側としては部屋の掃除をしなくても良いので、玄関だけで済むのは育児や家事で忙しいママにとって非常に助かりますよね。
その反面、会話できる時間も短いのがネックです。聞きたいことがある場合は、事前にいくつか用意しておき簡潔に伝えられると短い時間を有効に使えますね。
自分が親としての家庭訪問を受けた時、「やっぱり担任の先生とは、世間話でもいいので、色々話してみたい。」という想いの方が強くなっていることに気づきました。
担任の先生と何らかの形で信頼関係がつくれているのであれば、玄関先での立ち話訪問でもいいのかもしれません。
しかし、どんな先生かきちんと知りたいのであれば、準備が色々大変ですが、お家に上がってもらって、しっかり話をするほうがいいと思います。
学校によっては最初から‘‘玄関だけで済ませる‘‘と知らせてくれるところもあるようです。
そのようなことが書かれていない場合は、やはり先生を部屋の中まで通してしっかりお話したほうが子供を通わせる親としても先生の人柄などを知られて良いかもしれませんね。
お茶やお菓子を出すタイミングは?そもそもそれは必要か?
もし、お茶やお菓子を出すのであれば、訪問されてすぐのタイミングがいいと思います。
担任の先生からすると、いろんな話をすぐにでも始めたいので、早く座ってもらったほうがありがたいのです。
しかし、お茶やお菓子は基本的に必要ないと思います。
先生方は、出されたものに手をつけないのも失礼と考えて、一応頂かれますが、たくさんの家庭を回りますので、結構お腹がふくれていたりするのです。
でも、暑い時に、冷たい水やお茶、アイスコーヒーを出していただけるのは、ありがたいものです。
「何も出さないのはかえって気になる」と思われる方には「冷たい飲み物(水分補給)とお漬物(塩分補給)」がお勧めです。
座布団やスリッパは出したほうがいい?気をつけたいマナーって?
家庭訪問する側からすると、スリッパは特に必要ないことが多いかと思いますが、座布団はありがたいです。
どうしても長時間お話をすることになり、その間ずっと座っているので、お尻が痛くなります。フローリングにずっと座っているのは保護者も先生もなかなか辛いものです。
1日のうちに、それが2〜3時間は続くのですから、いつも立って仕事することの多い先生方には、結構きつい姿勢だと思います。
実際私はありがたかったです。
家庭訪問時のマナーとしては、お互い「社会人としての立場」を尊重することだと思います。
「どちらが上」「どちらが下」ということはないのです。
対等であり、でも失礼でもなく、相手を敬う気持ちを忘れない、ということです。
親として家庭訪問を受ける側だった時、担任が以前同じ学校で勤務した、親しい先生だったことがありました。
よく知った仲なので、もっとくだけたタメ口でも構わなかったのですが、その先生は最後まで、丁寧な、しかも穏やかな話しぶりでした。
その誠実な姿勢が、なぜかとても嬉しかったことを覚えています。
先生にお土産はいる?
最後に「お土産」問題です。
先生にお土産を持たせるべきでしょうか?
学校では「保護者から物品を受け取らない」という指導が強くなされています。
それに起因する事件やトラブルが頻発していることが原因です。「○○さんのお家ではお土産もらってたのに、うちでは持って行かなかったわ」なんてことが井戸端会議で言われる可能性だってあります。
だから「お土産」はちょっと困ります。
断るのは失礼のような気がするけど、でも受け取ることでのトラブルも皆無ではない…
どんなに好感の持てる先生であっても、お土産は持たせない。
それが先生に対する、ある意味、マナーなのだと考えていただくといいと思います。
お土産がないからといって気分を害する先生はいません。
まとめ
家庭訪問のマナーなどについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
先生方は結構ハードなスケジュールの中で訪問してくれています。事前に相談したいことや聞きたいことなどをまとめておき、当日の訪問時間を有効に使えると良いですね。
家の掃除など迎える側も大変ですが、ぜひ家庭訪問で学校や先生とのコミュニケーションをとっておきましょう!
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