安産祈願やお宮参りの時には「初穂料(はつほりょう)」というものを神社などに渡します。「初穂料」とは神社に支払う謝礼をさします。経験がないとその名前すらもよく知らないですよね。「いくら包むの?」「どんな袋に入れる?」色々不安な方のために、金額の相場から、のし袋の準備の仕方まで、図入りでご紹介します。
安産祈願やお宮参り、初穂料の相場はいくら?
安産祈願や宮参りに七五三。子どもができると神社との縁も深くなりますね。
その時に神社へ納める初穂料。いくらぐらい包むといいのでしょうか?
あまり安すぎてはいけないような、かといって沢山包んで非常識と言われるのもいやだし…
難しいですね。
一般的な相場を調べてみましょう。
金額がはっきりしている時
最近は、祈願ごとに初穂料が決まっている神社も増えてきました。はっきり言ってもらえると迷いがなくて助かりますね。
HPに掲載してあったり、予約や受付の際に聞くと教えてくれます。
問い合わせの仕方は、
「安産祈願(お宮参り)をしたいのですが、神職の方に祈祷(きとう)をお願いする場合にお納めする初穂料はおいくらですか?」
「安産祈願(お宮参り)の祝詞(のりと)をあげて頂きたいのですがお納めする初穂料はおいくらですか?」
「安産祈願(お宮参り)の予約はできますか?祈祷料ははおいくらですか?」
などの聞き方をするといいでしょう。
後は、必要な金額を準備して当日を迎えるだけです。
神社によっては「安産祈願 5,000円」などと、受付や窓口に明記してあるところもあります。
その場合、受付の方が中を開けて確認するのは手間になってしまうので、袋には入れずにお財布から直接出して渡しても構わないことになっています。
また、安産祈願はお宮参りよりも初穂料の金額が高く設定されている神社が多く「お祓いを受けたあとで縁起物などを受け取る場合には10,000円」という神社もあります。
予約の際に確認しておきましょう。
「お気持ちで…」の時
HPや当日の受付にも祈祷料が掲示されておらず、問い合わせても「それぞれのお気持ちなので…」と金額をはっきり伝えられない神社もあります。
こんなときが一番困りますよね。
ありがたい気持ちはいっぱいあるのですが「それを金額に」と言われても…
その場合の相場は地域にもよりますが、5,000円程度と言われています。
一緒に祈祷を受ける人数(親子だけなのか親戚・祖父母も一緒なのか)などを考慮して、人数が多い時はやはり少し多めに包みましょう。
金額が「5,000円~」や「5,000円~10,000円」というように幅がある場合は「最低5,000円から承っていますが、後はお気持ちで…」という意味になります。
気持ちの問題なので、もちろん5,000円でも全く問題はありません。神社(神様?)はそこら辺はおおらかです。
ただし、神社によっては、納める金額によって、受け取る御札の大きさや縁起物の内容などが違っていることもあるので、あとは各自の判断で。
初穂料の「のし袋」「中袋」の書き方は?
初穂料の金額が決まったら、のし袋や白封筒を準備しましょう。
受付で現金をそのまま支払う時は必要はありませんが、開封せず袋のままで渡すのであれば、のし袋や白封筒に入れる必要があります。
これは日本古来より、お金を現金のまま渡すことを避ける風習があり、結婚式や葬儀の時などを始め、多くの場合で、お金をのし袋や白封筒に包んで渡す習慣になっているからです。
また、祈祷の中でこの初穂料をそのまま祭壇にまつることもあります。
そのため、現金のままでなく、袋に包まれている必要があります。
表書きや裏書きをする時には、マジックやボールペンではダメというわけではありませんが、見た目の良さやマナーを考えて、筆ペンを使うのが無難です。
祈祷のための初穂料をのし袋に入れる場合「結び切り」ではなく「蝶結び」の袋に入れるのが望ましいとされています。
「蝶結び」と「結び切り」の違いは下のようになります。
【蝶結び】
「何度繰り返しても良いお祝い事やお礼」などに用います。
お食い初めや七五三、入学・卒業、成人といった子どもの成長を祝う行事や、出産や長寿のお祝いなどに使用するのが主流です。
【結び切り】
一度きりであってほしいお祝い事に用います。
結婚祝いをはじめ、お見舞い、快気祝いなどが代表的です。
【表書きの書き方】
のし袋表の上段には、
- 「御初穂料」
- 「御礼」
- 「御神饌料」
- 「御玉串料」
などと書きます。
下段には赤ちゃんの名前を書きます。読み方が難しい場合には、祈祷の際に間違いがないようにするためにも、ふりがなをふっておきましょう。
また、お父さん・お母さんの氏名と赤ちゃんの名前を並べて書くことも あります。
中袋の書き方
のし袋にお金を入れるときは、中に用意されている「中袋」に入れることになります。
この中袋の表にはお金の金額、裏には住所とお父さんの名前を書きます。夫婦連名にしても構いません。
金額を書く時には、「大字」と呼ばれる漢数字を使うのが良いとされています。
例:弐阡円(2,000円)、伍阡円(5,000円)、壱萬円(10,000円)
ただし、「大字」でなければ受け取ってもらえないというわけではないので、通常の漢数字(二千円、五千円、一万円)でももちろん構いません。
でも、大字だとちょっとだけ博識に見えますね。
主な大字は以下の通り。
1→壱 2→弐 3→参 5→伍 7→七(ごくまれに漆) 8→八
10→拾 100→百 1000→仟または阡 10000→萬
その他→円を圓と書くこともあります。
お札の入れ方は、お札を出すとすぐに肖像が出てくるような方向で入れます。
裏の折り方は慶事ごとなので、先に上を折り、最後に下を折ります。
初穂料は新札でないとだめ?出すタイミングは?
必ずしも新札でなくて構わない
「初穂料は新札の方が縁起がいい」と言われることがありますが、儀礼的には必ずしも新札である必要はありません。
受付の方がその場で金額を確認することもあるので「新札よりも旧札の方が数えやすくて親切」という考え方もあります。
しかし、初穂料には「神様に捧げる稲穂の代わりに奉るもの」という意味がありますから、シワシワのお札や汚れたお札はできれば避けましょう。
なるべくきれいなお札を使うようにさえしておけば大丈夫です。
渡すのは受付で
初めての時は、何かとドキドキして、初穂料を渡す場所やタイミングもよく分からないものですよね。
初穂料を渡す場所は、祈祷の申し込みを行った窓口です。受付の時に、祈祷の申込用紙といっしょに渡すのが納めるタイミングです。
あらかじめ下見をして、場所を確認しておけば、当日も安心ですね。
また、のし袋はそのまま持参するより「ふくさ」などに入れて持参したほうが、見た目にしっくりきます。
お金が入っているので、防犯上もその方が安心です。
まとめ
今まで神社にあまり縁がなかった人にとって、初めて祈祷をする時は色々と不安なことが多いですよね。
神社の方もそれはよく分かっておられますので、分からないことや知らないことには親切に対応してくださいます。
神社は決して寄りつきにくい場所ではありませんよ。
大切なのは、心から子どもの健やかな成長を願うこと。
儀礼的なことは後から何とでもなります。
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